歯が黄ばむ食べ物・飲み物15選|コーヒー・紅茶・カレーは本当に着色する?歯科医師が解説
「毎日コーヒーを飲んでいると、歯が黄色くなる?」
「カレーを食べると歯に色がつく?」
「ホワイトニングをした後は、紅茶や赤ワインを飲んではいけない?」
歯の黄ばみを気にする方から、このような質問をいただくことがあります。
実際に、コーヒー、紅茶、赤ワインなどは、歯の表面に着色汚れ(ステイン)を生じさせる原因になります。
しかし、色の濃い食べ物がすべて同じように歯を着色するわけではありません。
また、天然の歯、虫歯治療に使うコンポジットレジン、セラミックでは、着色の仕組みや対処法が異なります。
この記事では、ホーチミン旧1区のありが歯科の日本人歯科医師が、歯に着色しやすい食べ物・飲み物15種類を紹介し、天然歯と人工材料の違い、ホワイトニング後の食事制限について研究論文をもとに解説します。

【結論】歯の黄ばみは食べ物だけが原因ではない
歯が黄色く見える原因は、大きく分けて3つあります。
| 黄ばみの種類 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 外因性ステイン | コーヒー、紅茶、赤ワインなどの色素が歯の表面に付着 | 歯科医院でのクリーニング・研磨 |
| 歯の内部の色 | 加齢、象牙質の色、歯の厚みや透明感の変化など | 状態に応じてホワイトニングを検討 |
| 詰め物・被せ物の変色 | レジン自体の変色、表面の着色、接着部分の変色など | 研磨、修理、交換など |
特に重要なのは、歯の表面についたステインと、歯そのものの色は別問題だということです。
表面の着色であればクリーニングで改善することがあります。一方、歯の内部の色を明るくするには、ホワイトニングが適している場合があります。
歯が黄ばみやすい食べ物・飲み物15選
以下は、日常生活で着色に注意したい代表的な食品です。
ただし、これは科学的に測定された「着色力ランキング」ではありません。天然歯と人工材料では結果が異なり、研究によって試験条件も違うためです。
飲み物編:着色に注意したい8種類
| 食べ物・飲み物 | 着色に関係する主な成分・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① コーヒー | ポリフェノールなどの着色成分 | 習慣的な摂取によるステイン |
| ② 紅茶 | タンニンなどのポリフェノール | 歯面への着色が生じやすい |
| ③ 緑茶 | カテキンなどのポリフェノール | 長期間の摂取で着色することがある |
| ④ ウーロン茶 | 茶葉由来のポリフェノール | 飲む頻度が多い場合に注意 |
| ⑤ 赤ワイン | アントシアニン、タンニン、酸 | 色素と酸の両方が関係 |
| ⑥ コーラ | カラメル色素、酸 | 着色だけでなく酸蝕にも注意 |
| ⑦ ブドウジュース | アントシアニンなどの色素 | 濃い色素と酸を含む |
| ⑧ ベリー系スムージー | 果実由来の色素・有機酸 | 飲む頻度と接触時間に注意 |
① コーヒー
コーヒーは歯のステインを考えるうえで代表的な飲み物です。
コーヒーに含まれる色素成分が、歯の表面に形成される唾液由来の薄い膜(ペリクル)などに付着することで、褐色のステインが形成されることがあります。
特に毎日何杯も飲む方や、長時間かけて飲む方は、着色が蓄積する可能性があります。
ただし、コーヒーを飲むと必ず歯が黄色くなるわけではありません。歯面の状態、唾液、清掃習慣なども関係します。
② 紅茶
紅茶にもポリフェノールが含まれ、歯の表面に着色を生じさせることがあります。
コーヒーと紅茶のどちらが着色しやすいかについては、研究対象や条件によって結果が異なります。
そのため「紅茶はコーヒーの何倍も着色する」といった一律の説明は適切ではありません。
③ 緑茶・④ ウーロン茶
緑茶やウーロン茶も、茶葉由来のポリフェノールを含んでいます。
色が比較的薄い緑茶でも、歯の着色がまったく起こらないわけではありません。
ただし、健康上の利点がある飲み物を、歯の着色だけを理由に完全に避ける必要はありません。
⑤ 赤ワイン
赤ワインは、歯科材料の着色実験でもよく使用される飲み物です。
赤ワインに含まれる色素やポリフェノール、酸性度などが着色に関係すると考えられています。
特にコンポジットレジンでは、赤ワインによる色の変化が複数の研究で報告されています。
⑥ コーラ
コーラにはカラメル色素が使用されることがあります。
ただし、コーラの色が濃いからといって、必ずコーヒーや紅茶より強く着色するとは限りません。
むしろ歯科的には、コーラに含まれる酸によるエナメル質への影響も重要です。
着色と酸蝕症は別の問題として考える必要があります。
⑦ ブドウジュース・⑧ ベリー系スムージー
ブドウやブルーベリーなどには、アントシアニン系の色素が含まれています。
これらの飲み物は着色の可能性があるほか、酸を含む製品では歯の酸蝕にも注意が必要です。
ただし、果実の種類や配合によって影響は異なります。
食べ物編:着色に注意したい7種類
| 食べ物 | 着色に関係する主な成分・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| ⑨ カレー | ターメリックに含まれるクルクミン | 特にレジンの着色研究で注目 |
| ⑩ ターメリック料理 | クルクミン | 黄色い色素が強い |
| ⑪ ミートソース | トマト由来の色素・酸 | 長期間の接触による影響 |
| ⑫ ケチャップ | トマト色素・酸 | 着色と酸性度を区別 |
| ⑬ キムチ | 唐辛子由来の色素など | 着色の程度は調理法による |
| ⑭ ビーツ | ベタレイン系色素 | 強い赤紫色の色素 |
| ⑮ チョコレート・ココア | カカオ由来の色素成分 | 糖分の有無と着色は別問題 |
⑨ カレー・⑩ ターメリック料理
カレーの黄色い色の主な原因の一つが、ターメリックに含まれるクルクミンです。
クルクミンは強い黄色の色素で、歯科用コンポジットレジンの着色実験でも大きな色調変化を起こすことが報告されています。
ただし、レジンを着色させる実験結果が、そのまま天然歯の着色の強さを示すわけではありません。
「カレーを一度食べただけで天然歯が黄色くなる」と断定することもできません。
⑪ ミートソース・⑫ ケチャップ
トマト由来の赤い色素や酸を含む食品です。
一部の歯科材料では、トマトを含む食品による色の変化が研究されています。
ただし、天然歯に対する着色の程度は、食品の濃度や接触時間などによって異なります。
⑬ キムチ
キムチには唐辛子などの色素を含む材料が使われています。
歯の着色に関係する可能性はありますが、コーヒーや紅茶ほど歯科研究で検証されているわけではありません。
着色の強さを断定することは避けるべきです。
⑭ ビーツ
ビーツにはベタレインという赤紫色の色素が含まれています。
食品として強い着色性がありますが、天然歯への長期的なステイン形成については十分な臨床データがありません。
⑮ チョコレート・ココア
カカオには色素成分が含まれていますが、コーヒーや紅茶と同じ程度のステインを生じさせるとは限りません。
また、砂糖を多く含むチョコレートでは、着色よりも虫歯予防の観点が重要になる場合があります。
天然歯へのステインはなぜ起こる?
天然歯の表面は、飲食物の色素が直接付着するだけでなく、唾液由来のペリクルや歯垢、歯石などの影響も受けます。
このため、同じ飲み物を飲んでいても、着色の程度には個人差があります。
ステインがつきやすくなる要因
- コーヒーや紅茶などを頻繁に飲む
- 飲み物を長時間かけて少しずつ飲む
- 歯の表面に歯垢や歯石が付着している
- 歯面に細かな凹凸がある
- 喫煙習慣がある
表面に付着したステインは、歯科医院でのクリーニングや研磨によって改善することがあります。
一方、加齢などによる歯の内部の色の変化は、表面を磨くだけでは十分に改善しません。

【重要】レジンとセラミックは着色の仕組みが違う
天然歯と同じように見える白い詰め物・被せ物でも、材料によって着色のしやすさが異なります。
コンポジットレジンは変色しやすい?
コンポジットレジンは、樹脂成分と無機フィラーを組み合わせた歯科材料です。
飲食物の色素が表面に付着するだけでなく、樹脂成分の吸水や経年変化などが色調の変化に関係することがあります。
特に、コーヒー、紅茶、赤ワイン、ターメリックなどによる着色が実験研究で報告されています。
2026年に公表されたシステマティックレビューでも、単一シェードのコンポジットレジンに対して、ターメリックや赤ワインが大きな色調変化を生じさせたことが報告されています。
ただし、これらの多くは試験片を着色液に一定期間浸漬した実験であり、実際の口腔内で同じ程度の変色が起こるとは限りません。
セラミックは着色しない?
セラミックは一般にコンポジットレジンより色調安定性が高い材料です。
特に表面が適切に研磨されたジルコニアやガラスセラミックは、着色に比較的強い特徴があります。
しかし、セラミックだから絶対に着色しないわけではありません。
表面の粗さ、研磨状態、セメントやレジンを使用した接着部分などによって、見た目が変化する場合があります。
また、セラミックの種類によっても性質は異なります。
天然歯・レジン・セラミックの比較
| 項目 | 天然歯 | コンポジットレジン | セラミック |
|---|---|---|---|
| 表面へのステイン | 起こる | 起こる | 起こることがある |
| 材料自体の変色 | 歯質内部の色調変化がある | 樹脂の変色が起こり得る | 比較的色調が安定 |
| クリーニング・研磨 | 表面ステインに有効 | 表面の状態により有効 | 表面の状態により有効 |
| 通常の歯のホワイトニング | 適応により有効 | 元の材料色は白くならない | 元の材料色は白くならない |
なお、レジン系CAD/CAM材料と一般的なセラミックは同じではありません。材料の種類を確認して評価することが重要です。

ホワイトニング後はコーヒー・紅茶・カレーを避けるべき?
ホワイトニング後の食事制限については、以前から「24〜48時間は色の濃いものを避ける」と説明されることがあります。
しかし、近年の臨床研究では、こうした厳格な制限の必要性が見直されています。
研究では厳格な食事制限の効果が確認されていない
2024年のシステマティックレビューとメタ解析では、ホワイトニング中や治療後に色の濃い食品を制限しても、歯の色の変化に統計学的に有意な改善は認められませんでした。
さらに2025年のシステマティックレビューとネットワークメタ解析でも、コーヒー、紅茶、赤ワインなどを制限したグループと、制限しなかったグループの間で、ホワイトニング効果に有意な差は認められませんでした。
つまり、ホワイトニング後にコーヒーやカレーを口にしただけで、ホワイトニングの効果が失われるという十分な臨床的根拠はありません。
ただし、これらの研究は、長期的なステインの蓄積まで完全に否定するものではありません。
ホワイトニング後に気をつけたいこと
ホワイトニング後の飲食については、次のように考えるとよいでしょう。
- 厳格な「白い食事」だけにする必要性は、現在の研究では支持されていません。
- コーヒーや紅茶を習慣的に飲む場合は、長期的なステインの蓄積に注意しましょう。
- 知覚過敏がある場合は、熱い飲み物や冷たい飲み物、酸性の食品が刺激になることがあります。
- 使用したホワイトニング方法や歯の状態によって個別の注意事項があるため、担当歯科医師の説明を優先してください。
ホワイトニング後の食事制限と色戻りは別問題
ホワイトニング後の色調は、時間の経過とともに変化することがあります。
これは食事だけが原因ではなく、歯の再水和、着色物質の蓄積、生活習慣など複数の要因が関係します。
短期間の食事制限と、長期的な色調維持は分けて考える必要があります。
歯の着色を予防する6つの方法
1. コーヒーや紅茶をだらだら飲まない
一度に飲むことと、長時間少しずつ飲み続けることでは、歯と飲み物が接触する状況が異なります。
飲む頻度や時間を意識しましょう。
2. 色の濃い飲み物の後は水を飲む
水を飲むことで、口の中に残った飲料や色素を洗い流す助けになります。
ただし、水を飲めば着色が完全に防げるというわけではありません。
3. 毎日の歯磨きで歯垢を除去する
歯垢や歯石はステインの付着に関係することがあります。
フッ素入り歯磨き粉を使用し、適切な歯磨きを続けることが大切です。
4. 研磨力の強い歯磨き粉を使いすぎない
着色を落とそうとして強く磨いたり、研磨力の高い製品を過度に使用したりすると、歯や修復物を傷つける可能性があります。
着色が気になる場合は、歯科医院で相談しましょう。
5. 定期的に歯科医院でクリーニングする
歯磨きだけでは除去しにくいステインや歯石は、歯科医院でのクリーニングによって改善することがあります。
6. 着色の原因を診断してからホワイトニングを考える
歯が黄色いからといって、必ずホワイトニングが必要なわけではありません。
まずステインなのか、天然歯の色なのか、詰め物・被せ物の変色なのかを確認することが重要です。
歯の着色についてよくある質問(FAQ)
Q1. コーヒーを毎日飲むと歯は黄色くなりますか?
コーヒーは外因性ステインの原因となることがあります。ただし、着色の程度には個人差があり、毎日飲むと必ず黄ばむわけではありません。
Q2. 紅茶はコーヒーより歯が黄ばみやすいですか?
どちらも着色の原因になり得ますが、研究条件によって結果が異なるため、一律に優劣をつけることはできません。
Q3. カレーを食べると歯が黄色くなりますか?
ターメリックに含まれるクルクミンは強い色素です。特にレジン材料の着色が研究されていますが、一度の食事で天然歯が大きく変色するとは限りません。
Q4. 歯のクリーニングだけで白くなりますか?
表面のステインであれば改善することがあります。しかし、歯の内部の色をクリーニングだけで白くすることはできません。
Q5. レジンの詰め物はホワイトニングで白くなりますか?
一般的な歯のホワイトニングでは、レジンそのものを天然歯と同じように白くすることはできません。着色の状態によっては研磨や修復物の交換が必要です。
Q6. セラミックの歯もコーヒーで着色しますか?
セラミックは比較的色調安定性が高い材料ですが、表面の状態や接着部分などによって着色が見られることがあります。
Q7. ホワイトニング後48時間はコーヒーを飲んではいけませんか?
臨床研究をまとめたシステマティックレビューでは、厳格な飲食制限によるホワイトニング効果の改善は確認されていません。ただし、治療方法や知覚過敏の有無に応じた個別の指示には従ってください。
Q8. ホワイトニングをすればステインはつかなくなりますか?
いいえ。ホワイトニング後も、飲食物などによる外因性ステインが蓄積する可能性があります。定期的な口腔ケアが必要です。
まとめ|歯の黄ばみは原因によって対処法が違う
コーヒー、紅茶、赤ワインなどは、歯の表面にステインを生じさせる代表的な飲み物です。
また、カレーに含まれるターメリックは、特にコンポジットレジンの着色研究で強い影響が報告されています。
ただし、天然歯、レジン、セラミックでは着色の仕組みが異なります。
さらに、ホワイトニング後の厳格な飲食制限については、近年の研究でその必要性を支持する十分な証拠は示されていません。
大切なのは、色の濃い食品をすべて避けることではなく、黄ばみの原因を正しく理解し、適切なケアを選ぶことです。
ホーチミン旧1区のありが歯科では、日本人歯科医師、日本人歯科衛生士が歯の着色や黄ばみの原因を確認し、クリーニングやホワイトニングなど、お口の状態に応じた方法をご案内しています。
参考文献
- Münchow EA, et al. White diet is not necessary during dental bleaching treatment: A systematic review and network meta-analysis of clinical studies. Journal of Dentistry. 2025;153:105459. https://doi.org/10.1016/j.jdent.2024.105459
- Is a White Diet Necessary for Tooth Bleaching Procedures? A Systematic Review and Meta-Analysis. 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38668030/
- Color Stability of Single-Shade Resin Composites: A Systematic Review of In Vitro Studies and Clinical Implications. Dentistry Journal. 2026;14(5):293. https://doi.org/10.3390/dj14050293
- Color Stability of Polymer-Based Composite CAD/CAM Blocks: A Systematic Review. 2023. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36679343/
- Color Stability of Tooth-Colored Restorative Materials After Exposure to Arabic Coffee and Black Tea: A Systematic Review. 2025. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41103834/
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
日本語対応で安心してご相談いただけます。
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